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『至上の愛を』

  コニー・ブロックウェイ 作 / 高梨 くらら 訳  sun

悪名高いカー伯爵を父に持ち、「悪い星のもとに生まれた」と人々に囁かれるフィア。幼い頃に母は不慮の死を遂げ、父は娘の美貌を利用すべく彼女を育てていた。だがフィアは行方不明だった次兄レインが戻ってきたあげく、カー伯爵に破滅させられそうになる姿を見ることに耐えられず、ロンドンへの逃避行を決意する―6年後、未亡人となったフィアは社交界の華となり、再び父の操り人形として生きることを迫られていた。そんな彼女の前に、かつて恋心を抱いた相手トマス・ダンが現れる…原題「The Ravishing One

至上の愛を(原書房)

『美しく燃える情熱を』 『宿命の絆に導かれて』に続くマクレアン・トリロジー最終作。仮題は『至上の愛を捧げて』だったのに、なぜか「捧げて」がカットされてしまい、シリーズものとして並べたときのバランスの悪さが気になってしまうところだが…

一作目から不思議な魅力を放っていたカー伯爵の末娘フィア。冷たく取り繕った仮面の下に、繊細で傷つきやすい心を隠していて、どこかほっとけなさを感じていたが、ヒロインとなった今作では、前半部分の彼女の言動がもう痛々しくて読み進めるのが辛いくらいだったshock 父親の魔の手から逃れるために選んだ手段というのが、この時代としては仕方のないものだったとしても、そこからさえも絆を見出していったフィアの孤独感というものが切々と胸に迫って来て、2人も兄貴がいたのに、何してんだよ~!annoy と前作・前々作のヒーローたちにも文句がいいたくなるほど腹が立って仕方なかった。

一作目では憎まれ役になってしまったトマス・ダンが、どんな具合に汚名返上するのかも気になっていたところだが、中盤あたりから好きな展開になってきたこともあって、このあたりはブロックウェイの力技に完敗sweat01って感じかな。

クライマックスには大どんでん返しが用意されていて、シリーズを通して読んできたこちらにとっては、驚くと同時に深い悲しみも味わされて、かなり複雑な気持ちになることも確か。

物語の始まりから、フィアの絶望感に囚われてしまうので、幸福感溢れるラストまでたどり着いてようやく息が抜けるという、なかなか疲れる作品ではある。軽いストーリーが読みたい時におススメできる作品では決してないなぁcoldsweats01

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